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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる疾患のことです。(Apnea=呼吸が止まる)
肥満や喉・顎の骨格的な形状などが関与して、喉の空気の通り道が塞がることが主な原因です。早朝の血圧上昇に大きく関与すること、胸腔内が陰圧となることにより、心臓や血管が物理的にダメージを受け、様々な心臓や血管の疾病の原因となることがあります。当院では検査から治療まで一貫して行うことができます。
睡眠時無呼吸症候群は、その中等症以上を数年間放置すると死亡率が数年間で数10パーセントにも高まる可能性があります。ですので、軽視しないでしっかり治療を受けるようにしましょう。

睡眠時無呼吸症候群の診断

睡眠時無呼吸症候群の診断は、まず問診で自覚症状(夜間のいびきや呼吸の停止)や日中の睡眠の状況(昼間に眠たくなる)等をお伺いいたします。

下記のような状況があれば、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。

◎就寝時にいびきをかく、呼吸が止まることがあることを、家人に指摘される。
◎日中にも眠気の自覚がある。
◎朝起きた時に体の重さを感じることがある。

症状としてはほかに、次のようなものがあります。

◎日中の倦怠感、熟睡感の無さ、起床時の頭痛、ED、夜間の頻尿、集中力や記憶力の低下

睡眠時無呼吸症候群の放置は禁物

睡眠時無呼吸症候群をきちんと治療しないで放置すると、交通事故や各種疾患(高血圧、糖尿病、不整脈等の心疾患、脳卒中)などを招く確率が大幅に上昇します。
職業や家事などの私生活にも何かと悪影響が出がちですので、何も手を打たずにおくことは禁物です。
家族や友人などの睡眠パートナーから、睡眠中の大きないびきや呼吸の一時的な停止を指摘されたことは無いでしょうか。もしあるとしたら、睡眠時無呼吸症候群が疑われますので、この疾患に詳しい医師を受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査

前記のような症状に心当たりのある患者様には、まず、ご自宅で施行可能な、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行っていただきます。提携会社より郵送で機材が届いたのち、ご自宅で検査を行っていただき、再度機器を郵送で送り返して頂きます。睡眠時無呼吸症候群の診断、および症状の程度を測定するための検査です。
口と鼻に呼吸センサー(腕のセンサーで調べるタイプの検査もあります)を、指に血中酸素濃度を調べるセンサーをそれぞれ取り付けて一晩ご就寝いただき、時間当たりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかどうかを調べます。
この簡易検査の結果次第では、より詳しい検査(PSG:ポリソムノグラフィー)の検査を、1泊入院にて行っていただくこともあります。その後、治療となります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

治療法は、上記の検査の結果、SASの原因や重症度、また個々の患者様の状態等に応じて、下記のような方法のなかから選択されます。

CPAP療法

CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ)とは、鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いて無呼吸を防ぐ治療法です。中等症から重症の患者様にとても効果的で、ほとんどの患者様は、この治療を行ったその日からいびきをかかなくなり、朝もすっきりと目覚め、昼間の眠気も軽くなります。現在では睡眠時無呼吸症候群の最も重要な治療法として、欧米や日本で広く普及しています。

マウスピース

就寝中の顎の位置を少し変えるだけで改善が見込めるような軽症レベルの患者様が適応になります。気道を広く確保するために、下顎を上顎よりも前に出るように固定します。専用のマウスピースですので、作製する際には歯科の専門の医師をご紹介するようにいたします。

睡眠時無呼吸症候群の放置は禁物

生活習慣の改善

肥満の方は、減量のためにカロリーの摂取を控え、適度な運動を心掛けます。

就寝時の側臥位

あおむけの仰臥位よりも、横むきの側臥位の方が、空気の通り道(気道)の確保には有効です。上記の治療が難しい場合でも、心がけることが必要です。

外科手術

空気の通り道が塞がってしまう部位(肥大した扁桃腺など)を、外科的に正常な状態に戻す治療が行われることもあります。